リアの足回り整備が一通り終わりました。前々からやってみようと思っていたリアサスのサグ出しをやってみました。
まずサグ出しとは・・・(色々、調べてみた結果、私なりの考え)
バイクはメーカーから出荷時、60Kgの人が乗った場合を前提にサスペンションのセッティングが行われております。
そのため、60kg以上、以下の人がそのまま乗ったとしたら、本来の性能(旋回性能や制動性能)が発揮できない事となります。
そこを本来乗る人に合わせて調整する事をサグ出しと言います的な感じです。
そのため、リアサスペンションの動きを阻害する要因を少しでも減らすためにリアの足回りのグリスアップを行いました。
2015年3月21日現在の私・・・
身長 178cm 体重 73kg
まずリアサス。
サービスマニュアル的に言うとリアショックアブソーバー。
スプリングとダンパーに分けて考える事ができます。
まずはスプリング部分。
路面の凹凸を吸収し、タイヤを路面へ出来る限り押し当てるためのバネです。
サグ出しはあくまでスプリング初期荷重をアジャストリングでスプリング取付長を変更し調整します。
スプリング取付長(スプリングの上端から下端までの距離)
WR250X WR250R
標準 210mm 210mm
最小 (硬) 203mm 204.5mm
最大(柔) 213mm 214.5mm
ダンパー部分。
圧側減衰力:スプリングが元々の長さから縮む時の速度。
伸側減衰力:スプリングが縮んだ時から元々の長さに戻る時(伸びる時)の速度。
形状的にはエンジンと似ており、シリンダ内にピストンが内臓されています。
エンジンと違いピストンの上下運動をクランク軸で回転運動に変換してません。
ピストンには穴が開いており、その穴を上下運動の際に液体や気体が抜ける事で抵抗を生みます。
穴の形状や大きさを変える事で減衰力(上下運動の速度)を変更できます。
分かりやすく言えば、ピストンの穴が大きければ、上下運動した時にスコンスコン軽く動きますが
穴を小さくする事でスコンスコン動かなくなりぬるぅ~っと動くようになります。
このぬるぅ~という動きによりスプリングの急激な長さの変化を制限し、ビヨンビヨン飛び跳ねないようにしています。
伸側減衰力
最大(硬)1段
標準 14段 WR250R
15段 WR250X
最小(柔)25段
圧側減衰力
最大(硬)1段
標準 8段 WR250R
9段 WR250X
最小(柔)12段
減衰力は、あくまでスプリングの変化速度に影響する部分であって伸び縮みの長さには影響はしないはず。
そのため0G時のアクスルシャフト、メットホルダー間の距離を計測するにあたって減衰力を最も柔らかい方に設定する必要はないと思われます。
まぁでも人によっては減衰力を変更してくださいとの事ですのでしておくに越した事はないのでしょう・・・。
今回は、購入時にかなり硬い設定がされていた事もあって最柔にして計測してみました。
現在のスプリング取付長は標準の210mm
画像左のダブルナット部分(上:ロックナット、下:アジャスティングリング)を回して取付長を変更する事で調整します。
ジャッキに乗せた状態でリアタイヤを浮かせ現在の状態を確認します。
アクスルシャフト メットホルダー間 620mm
リアリンク、スイングアームグリスアップ前、リアサスペンション 伸9 圧1 の状態でも620mmでしたので減衰力の設定によっても変化しない事が分かりました。
グリスアップ前後で数値に変化が見られないという事は、リンクやスイングアームの取付も正確に行われていると考えていいのではないでしょうか・・・。
車体をジャッキから降ろし、本来乗る姿(ヘルメットやバッグ等)で荷重をかけます。
この状態で再度、アクスルシャフト メットホルダー間を計ります。
そのため、両足を地面から上げないといけないため、サグ出しは1人ではできないと言われております。
しかしながら嫁さんの手を煩わせるのも面倒なため、1人でやってみましたw
お隣さんとの境にフェンスが建てられておりますが、その脇にバイクを接地します。
ヘルメットやブーツ、リュック等、準備するのが面倒なため、タンクバッグを取り付けます。
普段もほぼタンクバッグは取り付けますのでこれは問題なし。
撮影用の機材など、そこそこ重量のある物を載せますので、タンクバッグにソイルを入れてみましたw
この袋で8kg
リアキャリアに荷物を括り付ける事も多いため、タンクバッグに静荷重8kgくらいで丁度な気がしました。
リアキャリア上なら、もっと少ない荷重でリアサスに負荷がかかるはずです。
この状態で乗車し、両足を上げて右手でフェンスを持ちます。
再度、計測します。
540mmほどでした。
620mm - 540mm = 80mm
これを90mmにする事でリアサスペンションは本来の性能を発揮するはず!といったところです。
530mmにするためにスプリング取付長を調整します。
ロックナットとアジャスティングリングを回していくのですが、かなり固いです。
情報を検索すると、ほとんどの方か貫通マイナスドライバーで叩いてまわしているような状況です。
貫通マイナスがないため、普通のマイナスとゴムハンマーで試みましたが、全くロックナットが緩みません。
そこで思いついたのがテント用のペグとハンマー
さすが鍛造ペグ!
ガンガン叩けます。
ロックナットを緩め、アジャスティングリングを若干、柔側へ調整しました。
530mmに調整し、ロックナットでリングを固定します。
本来はフックレンチがあれば作業ができるはずです。
以上でサグ出し終了!
減衰力を元に戻しました。
元々がかなり固めの設定だったため、一旦、標準設定で乗ってみる事にします。
伸15段 圧9段
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